トライラグビーのルール
「ラグビーってルールが難しくて、見ていてもよくわからない」
と言う方の為に、
少しずつルールを説明していきます。
説明文は、「新潟県ラグビーフットボール協会」作
NHK杯要綱から抜粋しました。(一部追加しました)

用語の解説(50音順)

第1章〜基本のルール〜

 ラグビーは陣とりゲーム  陣地をとる=つまり前進するには
  ・ボールを持って進む
  ・キックをする
 この2つしかない。ボールを前方に投げるのは反則。
 パスする時は
後方へ投げなければならない。
 こうして前進していって、目指すはゴールラインの向こう側、
インゴール
 ここにボールを持ち込んで地面につければ
トライとなる。選手たちが
 1つのボールをめぐって激しい攻防を繰り返すのは、このトライをとるため。


 キックオフ
 グラウンドの中央に置かれたボールを一方のチームの選手が蹴って試合開始。
 これを
キックオフという。
 全国高校ラグビー大会では、30分ハーフ、5分以内の休憩 (ハーフタイム)を
 挟んで戦う。

 ポジションの説明は、部員紹介のページに掲載。

 得点方法
1.トライ(T)=5点
 ボールを相手陣地の奥後方にあるインゴールに持ち込んで地面につける。
 どのチームもまず第一にこのトライをねらう。
 相手のインゴールに入るということは陣取りの最終目標でもあり、得点も
 一番大きいからだ。それに何よりトライをあげるとチームの士気が上がる。
2.
ゴール(G)=2点
 トライをすると与えられる得点チャンス。ボールを地面に置いたプレースキックや
 ドロップキック(ボールを地面に落して、跳ね返った瞬間に蹴る方法)で、
 ゴールをねらう。ゴールポストの間とクロスバーの上を越えると得点。
 ゴールキックの位置は、トライした地点からフィールド方向へタッチラインと平行した
 線上なら、どこから蹴ってもいい。と言うことは、トライする地点がゴールポストの
 真下に近ければ近いほどゴールキックが簡単になる。
3.
ペナルティゴール(PG)=3点
 相手の反則により与えられる得点チャンス。反則を得た地点からプレースキックか
 ドロップキックでゴールを狙う。
4.
ドロップゴール(DG)=3点
 プレー中、持っているボールをドロップキックしてゴールを狙う。トライが
 なかなかとれない時とかゴールポストの正面近くにきて フリーの状態になった時、
 あるいはキックに自信を持つ選手がボールを持った時といった条件が揃わないと
 みられないプレーだ。
 フリーキックでは、ドロップゴールによる得点を狙うことはできない。
 ただし、フリーキックからボールが展開されて、相手プレーヤーによって
 そのボールがプレーされたあとのボールであれば可能である。
 なお、フリーキックからのプレーがデッドとなり、次の展開になればその限りではない。
(フリーキックとは)ラインアウト、スクラム時の軽度な反則(ノットストレートなど)や
 フェアキャッチの後などに行われる。ペナルティの場合、審判は腕を曲げずに斜に挙げるが、
 フリーキックの場合は肘を直角に曲げて手を挙げる。 
 フリーキックでは、ゴールキックを狙うことはできない。
グラウンド

第2章〜反則〜イエローカード
軽い反則(スクラム)
ノックオンボールを前に落す
  
持っていたボールを前に落したり、飛んできたボールを受けようとして失敗し、
 手や腕に当てて前に落したりした時は反則。相手ボールのスクラムになる。
 
スローフォワード
 ボールを前方にパスまたは投げると反則
  自分より前に味方の選手がいると、ついパスをしたくなるが、
 これをやると反則。相手ボールのスクラムになる。

アクシデンタルオフサイド
 ボールを持ったプレーヤーが、前にいる味方と接触し、自チームが利益を得た場合。
ラインアウト時のノットストレート
 
ラインアウトでボールがまっすぐ入らなかった場合。反則しなかったチームは
 マイボールののラインアウトかスクラムを選択。


比較的重い反則(フリーキック)
スクラム時のノットストレート
 
スクラムでボールがまっすぐ入らなかった場合。
フットアップ
 スクラムに入れたボールが地面につく前に足を上げてフッキングした場合

重い反則(ペナルティーキック)
オフサイド
 プレーしてはいけないオフサイドの位置でプレーをした場合。
ノットリリースザボール

 タックルされて倒されたプレーヤーがボールを離さなかった場合。
オブストラクション
 ボールを持っていない相手側のプレーヤーを手や体などで妨害した場合。

スティファーム&レイトタックル
 相手の首に腕をひっかけたり、パスした後に故意に行う危険なタックル。
ピックアップ 
 スクラムやラックの中にあるボールを拾い上げた場合。
ハンド
 スクラムやラックの中にあるボールを手を使い、かき出した場合。

ニーリング
 スクラムの時、相手の押し込みを止めようとして膝をついた場合。

コラプシング
 故意にスクラムを崩した場合。
オーバーザトップ
 ラックが形成された場合、ボールを超えて倒れこむこと。
 (ラックの意味は、下記第3章で説明。)
ノットロールアウェイ
 タックルしたプレーヤーはすぐに立ち上がるか、またはボールから離れなければ

ならないルールがあり、これを行わない場合。

 スクラムハーフのダミープレーの禁止
  スクラムにボールを投げ入れた選手は、ボールがスクラムの中に
 ある間、ボールが出たような素振りをすることは禁止。


第3章〜密集状態はフォワードの力の見せどころ〜
 スクラム・モール・ラック
  ボールを持って進めば、相手チームの選手はそれを止めようとタックルしてくる。
 →タックルが決まればボールが止まる。
 →止まったボールを獲得する為に選手が集まってきて、集団を作る
  ラグビーではこんな動作が繰り返されることになる。この際、ボールを持った
 選手を中心にして、立ったままの状態でボールを取り合うのを
モール
 地上にあるボールを中心にして両チームの選手が組み合った状態を
ラックと言う。
  このモール、ラック状態が長く続き、次のプレーへの展開が期待できないとレフリーが
 判断した時は、笛を吹いて
スクラムで再開する。この時のボールの投入はモールでは
 最初にボールを持ち込まなかった側。ラックではラックが形成される直前に前進していた側。
 ノックオンやスローフォワードといった反則があった場合もスクラムになる。
  ここでボールを獲得し、有利な態勢にしておかないと攻撃のチャンスはやってこないの
 だから、スクラム、モール、ラックは重要なプレーなのだ。
  ただし、このプレーにこだわり過ぎると相手のボールのスクラムになってしまうので、
 次のプレーへの展開を想定して、早いボール出しが必要になる。

 モール
  
ボールを持った選手を中心に、両チームの選手が密集状態になること。

 ラック
  地上にあるボールを取り合う密集状態。足でのみ、ボールを扱うことが許される。
 ラックの下に倒れている選手は、出来る限りラックの中から出なければならない。

 スクラム
  高校ラグビーの場合、スクラムは1チーム8人で組まなければならない。また、
 スクラムが継続している間はスクラムを離れてはならない。スクラムで一方のチームが
 1.5m以上前進したり、45度以上回転した場合は、元の位置に戻り、スクラムを
 組みなおす。スクラム戦に固執する傾向をなくし、ラグビー本来の醍醐味である
 オープンプレーを推奨するのと、安全性を高めるのが狙い。繰り返しこのプレーを行った
 チームは反則として罰せられる。また、フロントローが故意に相手を宙に浮かせるか、
 相手を上方に押してスクラムを崩すプレーは反則。
(オープンプレーとは)
  
スペースの広い方へボールを展開させるプレー。
(フロントローとは)
  
スクラムを構成する際のフォワード最前列の3名(フッカーおよびプロップ)のこと。

第4章〜難しそうだけど、見方のコツさえつかめば
意外に簡単、オフサイド〜

  ラグビーの基本中の基本がオフサイド。一見わかりにくいが、一つの法則さえ覚えれば
  意外に簡単だ。その法則とは?

拙い絵ですが、作者が描きましたその1 ラグビーは陣取りゲーム。
ボールを持って進んできたAまでが赤チームの陣地となる。
(Aのラインをゲインラインという)

ここで大事なのは、赤チームでプレーできるのは
ボールを持っている選手の他は
「赤陣地にいる選手だけ」ということ。
つまりボールが15人の一番前にあるのが
一番望ましい状態なのだ。ところが図では相手の
青チーム陣地に赤の選手Bが入っている。
この場合Bはボールを取りに行ったり、
青チームの選手にぶつかったりしてはいけない。
プレーしようと思ったらすみやかに赤陣地、
つまりボールの後方まで戻らなければならないのだ。

この選手Bのように相手チームの陣地に入り込んで
いることを
「オフサイドの位置にいる」と言う。
↓ 赤チームにとっては緑色の部分がプレーできる
”オンサイド”

拙い絵ですが、作者が描きましたその2 黄色の部分がプレーできない”オフサイド”
ということになる。
Bの選手がオフサイドの位置でプレーに参加すれば、
オフサイドとして罰せられるのだ。

これが基本の法則。
あとは状況に応じてオフサイドラインが少しずつ
変わることを覚えればいい。

スクラムなどの密集状態では、最も後方にいる
選手の
足の地点がオフサイドライン。
ラインアウトでは、スローインする地点から双方とも
10m後方の地点。キックの時はキックした地点。
キッカー又はキッカーの後方にいた選手が
前進して直接ボールにプレーすれば、
オフサイドラインも前進する。

拙い絵ですが、作者が描きましたその3
キック時のオフサイド

キックした地点がオフサイドライン。この時、
ボールより前にいる選手Cはボールを
取りに動いてはならない。

Cがプレーに参加するには、キックした選手の後方に
戻るか、オンサイドの選手が自分より前方に出るまで
待っていなければならない。
オフサイドラインは、ボールが空中にある間は
ボールを蹴った選手の位置にある。
だからキックした選手は蹴った直後、前進した方が
有利。

拙い絵ですが、作者が描きましたその4
スクラムやモール、ラックといった密集時の
オフサイド
密集の双方の最後尾の選手の足の地点が
オフサイドライン。
密集に参加しない選手Dはオフサイドラインから
前に出てプレーするとオフサイドになる。
オフサイドラインより前にいる選手Eは、密集に参加
しない場合は素早くオフサイドラインの後方に
下がらなければオフサイドとして罰せられる。
密集に参加する場合は、味方の最後尾の選手の
後方から入る。ボールの前方から加わると
オフサイドになる。

第5章〜タッチキックは陣地挽回の有効テクニックから
タッチキックタッチキックとは、タッチラインの外側に向けて蹴るボールのこと。
陣地を挽回したい時や、攻め込まれて危機に陥った時、プレーを
切る為に蹴る。相手ボールのラインアウトでプレー再開だ。


だが、ラグビーは本来身体を張って苦労してボールを前進させるゲーム。
ポーンとボールを蹴っただけで前進してしまっては不公平だ。
そこで、いくつかの決まりがある。まず、蹴ったボールが直接
タッチラインの外側に飛んで出た場合
(ダイレクトタッチ)。この時は
いくらボールが前に飛んでいようと、蹴ったAの地点まで戻されてしまう。
しかし、タッチラインの内側で
ワンバウンドするなり、転がるなりして
から出た場合には、出たBの地点でのラインアウトになる。
ただし、キックする地点が自陣
22mライン内側の場合は別
攻められている側がここから蹴った時は、それがたとえダイレクトタッチ
でも戻されず、タッチラインを超えた@の地点でのラインアウトになる。

防御側を有利にして、簡単に点が入らないようにする措置だ。
なお、22mラインの外側で取ったボールを22mラインの内側に
持ち込んで蹴ったボールが直接タッチに出た場合は、ダイレクトタッチ
扱い。

第6章〜ラインアウトの攻防も見ごたえあり〜
ラインアウトボールがタッチラインの外に出ると、その地点でスローインが
行われる。(ボールを出した選手の相手チームボール。
ただし、ペナルティキックからタッチへ蹴り出した場合は、
引き続きペナルティキックを蹴った側の投入で試合再開)。
そのボールを取り合うために、両チームの選手で列(2名以上)
をつくることを
ラインアウトと言う。ラインアウトに参加しない
選手は、その地点から10m後方にいなければならない。
なお、スローインされたボールをキャッチするためにジャンプ
する選手を、他の選手が支えるようにするサポートプレーは
認められている。2000年度のルール改正では、ボールが
投げ込まれる前に、ジャンプする選手のウエスト部分を握って
いることや、太ももを前からサポートすることが認められた。
クイックスローインはタッチに出た地点と投げ入れる側の
ゴールラインの間だったら、どこからでも投げ入れることが
できる。ただし、ボールを投入するのは、タッチに出たボールを
誰にも触れられないで自ら拾った選手に限られる。
クイックスローインとは)
ラインアウトの成立を待たずにボールをタッチから投げ入れる
こと。
ラインアウト

第7章〜ゴールラインをはさんでの攻防〜
ドロップアウト ドロップアウト
青チーム(攻撃側)のボールが赤チーム(防御側)の
インゴールに入った時、赤チームの選手が
地面にボールをつければドロップアウト。
赤チーム側が22mラインからドロップキックで
プレーは再開される。
なお、キックオフのボールが選手に触れられずに
ゴールラインを超えた場合は再びキックオフか、
センタースクラムで試合再開。このスクラムで
ボールを投入するのは、防御側となる。

キャリーバック キャリーバック
ドロップアウトと反対。
青チームに攻め込まれた赤チームが、タッチキックなどで
危機から逃れることが出来ず、やむを得ずインゴール内で
ボールを地面につけるとキャリーバック。
ゴールラインから5mの地点でスクラム(青チームボール)
になる。
緊急避難的なプレーで、依然として青チームの優勢は続く。
また、インゴールでボールを持った選手がボールをグラウンディングできないように捕らえたり、
モールの形となりボールが出せなかった場合も5mスクラム。攻撃側のボールでプレー再開。
(グラウンディングとは)プレーヤーがインゴールで持っているボールを地面につける、
または地上にあるボールを手、腕、あるいは首から腰の間で押さえること。

グラウンディングその1  グラウンディングその2   グラウンディングその3

第8章〜観戦では、こんなルールも知っておきたい〜
モールによる前進に関する改正
 モールの前進が止まった時、これまではモールを再び動かしてはならなかったが、2001年の改正では
「モールの前進が止まった場合でも、5秒以内であれば、一度は再び動かしてもよい」となった。
 こうすることで守備側の選手はより多くモールに参加せざるを得なくなる。攻撃側を有利にし、
トライチャンスを増やす改正。

戦術的選手交代
 これまでラグビーでは先発の15人(両チーム30人)で試合終了まで戦い抜くという考え方があった。
15人が一体となって戦うゲーム。選ばれた者に試合を任せるとい美学もあり、出場選手が負傷し
プレー続行が不可能となった場合は別として、選手交代は認められていなかったのだ。
 現在では、サッカーや野球などの他の競技と同様に戦術的選手交代が認められるようになっている。
 出場している選手が不調だったり、試合の流れを変えたい時、負傷の有無にかかわらず7人まで
選手を交代することができるというもの。

シン・ビンによる一時退出
 試合中に非紳士的行為、つまり相手に乱暴するなど悪質なプレーをした選手にレフリーが一時退場を
命ずるのが、
シン・ビン制度。シン(Sin)とは罪、ビン(Bin)とは箱という意味で、
“箱に入って頭を冷やしなさい”ということ。シン・ビンを命じられた選手はゴールポスト後方(インゴールの外)
で10分間、退場していなければならない。(イエローカードが出る)その後はプレーに参加できるが、再度
同様のプレーを繰り返した場合は、退場となる。(レッドカードが出る)

第9章〜その他のラグビー用語・ルール〜
アドバンテージ
 反則があっても、反則をしなかった側に有利にゲームが進んでいる場合、レフリーは笛を吹かずに
プレーを続行。反則しなかったチーム側の腕を上げ、プレーを見守る。

(反則による競技の停止を少なくしてプレーの継続を図る為のルール)
例:前に落したボールを、相手チームのプレーヤーがそのまま捕ってトライになった
 この場合、ボールを前に落すとノックオンの反則だが、ボールをすぐに拾った相手側のチャンス(利益)
 となったわけだから、アドバンテージルールが適用され、プレーは継続される。
 なお、赤チームの反則により、青チームにアドバンテージが適用されている間、青チームが反則を
した場合は、アドバンテージは解消。この時は最初の赤チームの反則に対して罰が科せられる。


タックル
 ボールを持っているプレーヤーが相手のプレーに捕らえられて地上に倒されるか、
ボールが地面に触れること。

 タックルされたプレーヤーは、プレー継続の為すぐにボールをパスするか手放し、立ち上がって
ボールから離れなければならない。これに反すると罰せられる。
 タックルされたプレーヤーが、惰性でインゴールに入った時や、すぐにグラウディングした時は
トライが認められる。

タックラー
 タックルした人。相手のプレーヤーを捕らえて、地面とともに倒れたプレーヤーのこと。
 タックラーは、相手が地面に倒れた時、すぐに相手を離し、その後ただちに立ち上がるか、
相手プレーヤーとボールから離れなければならない。ボールをプレーするのは立ち上がってから。

タックル成立
タックルその1 タックルその2
地面に腰を下ろすか、横たわっている人の上に
ボールを持っているプレーヤーが倒れた
  相手に捕らえられた時にボールを持っている
  プレーヤーの片膝もしくは両膝が地面につく。
タックル不成立
タックル不成立その1 タックル不成立その2
ボールを持っているプレーヤーが相手に
捕らえられた時に地面から持ち上げられた
 ボールを持っているプレーヤーが地面に
 倒される前に味方プレーヤーにバインドされた。
  =モールになった。

用語の解説(50音順)

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